世界を狂わせた大友克洋の圧倒的画力!空間を抉る超絶技法の秘密
漫画の世界で頂点を極めた大友の執念は、当然のように日本のアニメーション産業へと注がれた。劇場版『AKIRA』でアニメーションの常識を塗り替えた後、サンライズをはじめとするトップスタジオの英知を結集して制作されたのが『スチームボーイ』である。構想から完成までに10年近い歳月を費やしたこの作品は、手描きアニメーションが到達しうる最高峰の作画密度を誇る。
19世紀ロンドンの産業革命期を舞台に、真鍮の鈍い光沢、複雑に噛み合う無数の歯車、噴き出す高圧蒸気の流体表現が狂気的なまでの作画量で描き出された。セル画の持つ手描きの味わいと、黎明期のデジタル技術を極限まで融合させた映像美は、アニメーション表現のひとつの限界点を提示した。効率化が求められる商業アニメの潮流に抗い、画面の隅々にまで職人技を詰め込んだその姿勢は、アニメ史に刻まれるべき金字塔である。
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