『傷だらけの天使』キャスト徹底解説!萩原健一・水谷豊の生々しさ
『傷だらけの天使』のダークでどこか官能的な世界観を構築するうえで欠かせなかったのが、修と亨が所属する綾部探偵事務所の面々だ。社長の綾部貴子を演じた岸田今日子は、浮世離れした気品と残酷さを兼ね備えた唯一無二の存在感を放っていた。修を言葉巧みに操り、危険な裏仕事へ送り込むアジテイターとしての冷徹な眼差しは、作品全体に漂う虚無感を決定づけた。
さらに、その部下である幹部・辰巳五郎役の岸田森が放つ狂気も特筆に値する。アロハシャツに身を包み、冷徹な暴力と狂気を淡々と漂わせる演技は、昭和のテレビ界においても異彩を放っていた。演劇界で高い評価を得ていた岸田今日子と岸田森(従兄妹関係でもあるふたり)の静かな怪演が、萩原・水谷コンビの動的なエネルギーとぶつかり合うことで、単なるアクションものではない深みと陰影が作品に刻み込まれたのだ。
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