世界一まずい味の真相とは?悪臭と愛着が交錯する究極の食文化
悪名高き珍味の筆頭格として、常にランキングの頂点に君臨してきたのがスウェーデンの塩漬けニシンの缶詰、シュールストレミングである。初夏のバルト海で獲れたニシンを薄い塩水に漬け、缶の中で生きたまま発酵を続けさせる。開けた途端に噴き出す硫化水素や酪酸の混ざり合った強烈なガスは、しばしば軍用の催涙ガスや下水管の破裂に例えられてきた。
しかし、世界の奇食の深淵はシュールストレミングだけにとどまらない。カナダの極北地域に伝わるキビヤックは、アザラシの腹を裂いて内臓を抜き、そこに数百羽の海鳥アパリアスを羽毛もそのまま詰め込んで地中に数カ月間埋めて熟成させる。浸出した体液をすするその味は、熟成したブルーチーズを極限まで濃縮したような濃厚さを放つ。アイスランドのハカール(サメ肉の発酵食品)は強烈なアンモニア臭で喉を焼き、口に入れた者を即座に沈黙させる。
単なる罰ゲームの小道具として消費されがちなこれらの食品だが、ランキングという安易な序列化の裏には、極限環境下で貴重なビタミンやタンパク質を確保するための、人類の壮絶なサバイバル戦略が隠されている。
タグ:
https://aitraining.bnsf.com/tzleadbj/6571318/