東京・山谷の現在地|ドヤ街から激変!治安の真相と2026年のリアル
カルチャーの視点から山谷を語る上で外せないのが、高森朝雄(梶原一騎)原作・ちばてつや画の不朽のボクシング名作『あしたのジョー』だ。作中で主人公の矢吹丈が丹下段平と出会い、ボクシングの手ほどきを受けた「丹下拳闘クラブ」は、泪橋の下に建てられていた設定である。
かつて思川(おもいがわ)という小川に架けられ、小塚原刑場へ送られる罪人とその家族が今生の別れに涙を流したとされる「泪橋」。川が暗渠化された現在は交差点の名前にその名を残すのみだが、周辺にはジョーをモチーフにしたモニュメントや街路灯のフラッグが掲げられ、往年のファンを引き寄せている。
一方、労働者たちの憩いの場であり、同時に炊き出しや越冬闘争の拠点として機能してきた「玉姫公園」も大きな変化を遂げた。かつて園内を埋め尽くすように並んでいた段ボールハウスやブルーシートテントは行政の支援策によって解消され、現在は子ども向けの遊具やベンチが並ぶ一般的な都市公園として整備されている。毎年開催される「靴まつり(市)」の賑わいや、昼下がりに日向ぼっこを楽しむ高齢者たちの姿に、かつての緊迫した騒乱の影を見ることは難しい。
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