【2026年密着】「孤立」か「救済」か——精神科保護室の扉の向こうで進行する、知られざる改革の最前線
「あの灰色の部屋でドアが閉まった瞬間、自分が人間ではなくなったような絶望感を味わった」。そう語るのは、2年前にうつ病の悪化に伴う強い自殺念慮から保護室に入院した経験を持つ30代の女性だ。窓がなく、トイレとマットだけが置かれた空間。時計もなく時間の感覚が失われていく恐怖は、今もトラウマとして心に残っているという。
一方で、別の家族の視点は異なる。「重度の統合失調症を発症した息子が、家中の物を壊し包丁を持ち出したとき、救急搬送先の保護室だけが唯一の避難所だった。あの部屋がなければ、私たちは共倒れしていた」と、60代の母親は胸を撫でおろす。命を救われたという感謝と、隔離という体験が遺す精神的傷痕。保護室が持つ二面性は、当事者たちの心に複雑な影を落とし続けている。
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