首の違和感と高音発声の鍵を握る「茎突舌骨筋」知られざる新事実
茎突舌骨筋の特異性は、その起始部と神経支配の組み合わせにある。頭蓋骨の底部に位置する「側頭骨茎状突起」から起始し、前下方へと伸びて舌骨大角の基部に停止する。細長いスリングのような走行を描き、その停止部付近では顎二腹筋中間腱を二股に分かれて挟み込むという、極めてユニークな形態をとる。
さらに興味深いのはその神経支配だ。舌骨上筋群の多くが三叉神経や頚神経の支配を受ける中、茎突舌骨筋は顔面神経(第VII脳神経)の枝によって直接コントロールされている。喜怒哀楽を表現する表情筋と同じ神経系統で結ばれている事実は、感情の揺らぎやストレスによる食いしばりが、なぜ喉の過緊張や声の詰まりに直結するのかを明快に説明する。顔の表情と喉の開閉は、ミリ単位で連動する神経回路によって強固に結ばれているのだ。
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