諏訪の伝説ベーカリーが放つ新章と愛され続ける看板パンの秘密
創業期、諏訪湖畔の小さな菓子パン店として産声をあげた太養パン店。学校給食や地元商店への卸売りを通じて地域住民の胃袋を支え続けてきた歴史は、日本の地方製パン業界における典型的な歩みそのものだった。しかし、その舵を大きく切ったのが3代目オーナーシェフの本東健滋だ。
東京やフランスの現場で本場のクラフトベーカリーを肌で知った本東は、家業を継ぐにあたり、大量生産型のビジネスモデルから完全脱却を図った。彼が目指したのは、地元に根ざしながらも世界基準のクオリティを誇るアルティザン(職人)ベーカリーへの転換である。
「昔ながらのあんパンを買いに来るおじいちゃんも、ハード系を求める若い世代も、同じ空間で笑顔になれる場所を作りたい」。本東が語るその哲学は、伝統の酒種や湯種製法を守りつつ、自家製ルヴァンリキッドを用いたサワードウブレッドを並列させる独自のスタイルを生み出した。
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