沈黙を破る孤高の詩人・唾奇の現在地、名盤の記憶と新たな胎動の全貌

話題沸騰中の 沈黙を破る孤高の詩人・唾奇の現在地、名盤の記憶と新たな胎動の全貌について、多角的な視点をご紹介しています。

基地の街、コザ。沖縄県沖縄市で育まれた唾奇のバックボーンは、どこまでも泥臭く、そして切ない。米軍基地から漏れ出るアメリカの空気と、土着のカルチャーが混ざり合う雑多なストリートで、彼は言葉を研ぎ澄ましてきた。きらびやかな成功譚ではなく、今日をどう生き延びるかという焦燥感。金のない夜、仲間と分かち合った煙、やり場のない苛立ち。それらすべてが彼のノートに刻まれた。

当時、トラップビートが世界を席巻し、ジャパニーズ・ヒップホップの勢力図も高速なハイハットとオートチューンに塗り替えられつつあった。そんな潮流に背を向け、彼が選んだのは泥臭くも太いグルーヴを持つBoom Bapだった。だが、それは単なる90年代へのノスタルジーではない。ジャジーでメロウな上ネタに乗せる、現代の若者の乾いた心象風景。唾奇の登場は、クラシックなビートフォームがいかに今なお鋭利な刃物になり得るかを鮮烈に証明したのだった。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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