個人戦206連勝の真実!霊長類最強が刻んだ規格外の軌跡とは
天性の素質だけで勝てるほど世界は甘くない。彼女を絶対王者に仕立て上げたのは、愛知県大府市に拠点を置く至学館大学レスリング部の苛烈を極めた稽古環境だった。
元日本代表代表監督の栄和人による指導は、徹底した反復練習と限界突破を日常化させるものだった。朝の走り込みから夜のマット練習まで、1日の練習量は常人の許容量を遥かに超越していた。酸素が薄く感じるほどの熱気の中で、男子部員を相手に休む間もなくスパーリングを繰り返す。至学館の道場には、妥協という言葉が存在しなかった。
「沙保里の心臓は別の生き物のようだった」。当時のチームメイトは振り返る。肋骨を疲労骨折していても、足首の靭帯を痛めていても、テーピングを何重にも巻きつけてマットに上がり続けた。痛みに顔を歪めるどころか、怪我を突いてくる相手を力でねじ伏せる。その凄まじい執念が、至学館という虎の穴で研ぎ澄まされていった。
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