富士の樹海で何が起きているのか?遺体捜索の最前線と禁足地の深層
青木ヶ原の特異な存在感は、国境を越えて国際的な問題へと発展した。その火種を一気に拡大させたのが、2017年末に米国の人気YouTuberローガン・ポールが起こした騒動だ。彼が樹海内で実際に発見した首吊り遺体を動画に収め、軽薄な態度で配信した行為は世界中から猛烈な批判を浴びた。
だが、この事件以前から海外メディアによる「ダークツーリズム」的な消費は過熱していた。Vice Mediaが制作したドキュメンタリー映像や、森を舞台にしたハリウッドのホラー映画『JUKAI-樹海-』、さらにはNetflixで配信される各種の社会派ドキュメンタリーなどを通じ、青木ヶ原は海外において「The Suicide Forest(自殺の森)」というグロテスクな観光名所として認知されてしまったのである。
結果として、スリルや動画の再生回数を求める外国人観光客が、立入禁止の看板を無視して森の深部へ侵入するトラブルが後を絶たない。神聖な自然保護区であり、同時に誰かの最期の地である場所が、デジタル空間のコンテンツとして消費され続けている。
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