なぜ行列は途切れないのか?おにぎり専門店が仕掛ける進化の裏側
街頭で行列に並ぶ人々に話を聞くと、異口同音に返ってくるのは「出来立ての米が持つ圧倒的な力」への賛辞だ。長引く景気変動のなかで、消費者の外食に対する視線はかつてないほどシビアになっている。高額なディナーには慎重になっても、日常の延長線上にある数百円の食事には妥協したくない。そうした「日常のプチ贅沢」を求める心理に、極上の一握りが見事に合致した。
もう一つの決定打は、外食・中食産業におけるポジショニングの巧みさにある。ハンバーガーや牛丼に代表される従来のファストフードとは一線を画し、注文を受けてから職人が目の前で仕上げる「ファストカジュアル」の業態が都市生活者の心をつかんだ。テイクアウトでオフィスや自宅に持ち帰っても味が落ちにくく、イートインなら出来立ての温もりを味わえる。現代のタイパ(タイムパフォーマンス)志向とウェルビーイング需要の結節点に、まさにこのビジネスモデルが位置している。
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