無原罪の御宿りと処女受胎の違いとは?名画のシンボルと教義の真実を解説
「無原罪の御宿り(英語:Immaculate Conception / ラテン語:Conceptio Immaculata)」を最もシンプルに表現すると、「聖母マリアが母親(聖アンナ)の胎内に宿ったまさにその瞬間、神の特別な恵みによって最初からアダムとイブの原罪に染まっていなかった」というカトリック教会の教義です。
キリスト教の伝統的な人間観では、人類の始祖であるアダムとイブがエデンの園で神に背いた「禁断の果実」の罪(原罪)は、すべての子孫に自動的に受け継がれるものとされています。そのため、すべての人間は罪を背負って生まれ、洗礼を受けることでその罪を清める必要があります。
しかし、神の子であるイエス・キリストを胎内に宿す器となる聖母マリアが、一般の人間と同じように罪の汚れを持ったまま生まれることは神学的におかしいのではないか、という問いが生じました。そこで「神はマリアをキリストの母に選ぶにあたり、受胎の瞬間から例外的に原罪を免除した」と解釈されたのです。
聖書の中に「無原罪の御宿り」という直接の文言はありません。しかし、ルカによる福音書第1章28節で大天使ガブリエルがマリアに対して告げた「恵まれた方(ラテン語訳:gratia plena=恵みに満ちた者)」という呼びかけが、神の特別な恩寵により完全に罪から守られていた根拠として中世以降の神学者たちによって論証されていきました。
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