米津玄師の原点「ハチ」が放つ魔力!ボカロ史を変えた異端の美学

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2009年、黎明期の熱気に満ちていたニコニコ動画。そこに突如として投下された楽曲群は、それまでのVOCALOIDシーンが共有していた「キャラクターソング」の甘美なパブリックイメージを粉微塵に打ち砕いた。初音ミクや、クリプトン・フューチャー・メディアの手がける音声合成ソフトウェアの可能性を極限まで押し広げ、さらにはMegpoid(GUMI)のハスキーな質感を巧みに操る手腕。そこにあったのは、無機質な合成音声に過剰なまでの情念と毒を吹き込む、恐るべき錬金術だった。

『結ンデ開イテ羅刹ト屍』や『Clock Lock Works』で見せた、民族音楽的な不気味さと緻密なポリリズムの融合。どこかヨーロッパの路地裏や寂れた見世物小屋を想起させるダークファンタジーの意匠は、聴き手の無意識下にある狂気と好奇心を容赦なく刺激した。自ら手掛けた歪なアニメーションMVとともに、ネット空間に深く刻み込まれたその爪痕は、今も色褪せるどころか異様な輝きを放っている。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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