愛犬ツンと連れ立つ像の意外な真実とは?上野公園に佇む西郷像の謎

愛犬ツンと連れ立つ像の意外な真実とは?上野公園に佇む西郷像の謎とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を整理してお届けします。

この巨像を制作した主執筆者は、近代日本彫刻界の重鎮である高村光雲だ。高村は、木彫の伝統技術と西洋の写実主義を見事に融合させた稀代の彫刻家として知られる。彼が挑んだ西郷像の制作は、単なる人物の再現を超えた一大国家プロジェクトであった。

当時の日本における野外の立体美術、すなわち銅像・彫刻の多くは、西洋化の波に乗って軍服や大礼服を着用したスタイルが主流だった。その中で、足元に草履を履き、筒袖の浴衣風の着物を着た西郷の佇まいは極めて異彩を放っていた。高村は風にたなびく衣のしわや、どっしりと大地を踏みしめる下半身のボリューム感を緻密に計算し、見上げる角度によって最もダイナミックに見える視覚補正を施している。

伝統的な日本彫刻の粋を集めたこの表現は、当時の知識人層の間で「英雄にふさわしくない」という批判と、「これこそが西郷の真骨頂である」という絶賛の双方を巻き起こした。高村光雲の妥協なき造形へのこだわりが、時代を超えて人々を惹きつける力強い存在感を生み出したことは疑いようがない。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

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