名門・君の井が放つ山廃の真髄!豪雪蔵が辿り着いた至高の旨味

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清酒製造業を取り巻く環境は年々厳しさを増している。原材料の高騰や後継者問題など課題は山積しているが、この蔵の仕込み場に満ちる空気はどこまでも凛として清らかだ。冬の妙高は圧倒的な雪に覆われる。だが、この豪雪こそが蔵内の温度と湿度を一定に保ち、雑菌の繁殖を抑える天然のシェルターとなる。天然の冷蔵庫とも言える環境が、じっくりと時間をかけた長期低温発酵を可能にしているのだ。

機械化によって均一な酒造りを進める大手メーカーとは対照的に、ここでは人の手と勘が主役を務める。早朝の薄暗がりの中、蒸気がもうもうと立ち込める甑(こしき)から米を掘り出し、適温まで手作業で冷ます。杜氏の鋭い眼差しが、米一粒の吸水具合を見逃さない。「米の声を聴き、酵母の機嫌を伺う」。使い古された言葉のようだが、現場でその所作を目の当たりにすると、それが比喩ではなく現場の真理なのだと実感させられる。

林 結菜

林 結菜

ライフスタイル編集者

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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