朝日新聞の誤報はなぜ起きたのか?慰安婦・吉田調書と撤回の全真相
朝日新聞の信頼性を根本から揺るがし、日韓関係や国際世論に現在も深い爪痕を残しているのが慰安婦問題に関する一連の報道です。
発端は1982年、元山口県労務報国会下関支部動員部長を名乗る吉田清治氏が「済州島で若い朝鮮人女性を軍命で強制連行(人間狩り)した」とする証言を朝日新聞が取り上げたことでした。同紙は1980年代から1990年代にかけて吉田氏の証言や著書をベースにした記事を計16回にわたり掲載し、「軍による暴力的な強制連行」の有力な証拠として大々的に報じ続けました。
しかし、1990年代初頭から現地調査を行った歴史研究者や地元紙によって証言の信憑性に強い疑義が突きつけられます。済州島の島民からも証言を裏付ける証拠は一切出ず、創作である可能性が極めて高いと指摘されていたにもかかわらず、朝日新聞は長年にわたり明確な訂正や取消を行いませんでした。
事態が動いたのは2014年8月5日付の特集「慰安婦問題をどう見るか」です。朝日新聞は誤報検証記事を組み、吉田清治氏の証言を「虚偽だと判断した」として過去の記事を正式に取り消しました。しかし、証言の破綻が明らかになってから撤回までに20年以上を要したこと、また国際連合の報告書(クマラスワミ報告書)などに虚偽情報が引用され国際的な定説化を許したことに対し、国内外から激しい批判が巻き起こりました。
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