不朽の名作『アラバマ物語』の結末とあらすじ徹底解説|正義と差別の真相
『アラバマ物語』の知名度を決定づけたのが、1962年にロバート・マリガン監督によって製作された同名映画(原題:To Kill a Mockingbird)です。
アティカス・フィンチ役を演じた名優グレゴリー・ペックは、圧倒的な気品と揺るぎない正義感を体現し、第35回アカデミー賞主演男優賞を獲得。アメリカ映画協会(AFI)が選ぶ「映画史における偉大なヒーロー第1位」に選出されるなど、映画史に刻まれる金字塔となりました。原作の複雑なエピソードを法廷劇とブーとの交流に凝縮した脚本の完成度も高く、文学映画化の最高峰として称賛されています。
一方、2015年に発表され世界的な大論争を巻き起こしたのが、ハーパー・リーが『アラバマ物語』の初稿として執筆していたとされる『さあ見張りを立てよ(Go Set a Watchman)』の出版でした。
この作品では、20代半ばとなったスカウトが故郷に戻る設定となっており、そこで描かれた老弁護士アティカスは、なんと白人至上主義的な協議会に出席し、急速な黒人参政権の拡大に難色を示す「南部の旧弊な老人」として登場します。かつて完全無欠の良心と讃えられたヒーロー像が崩れ去ったことで読者コミュニティには激震が走りましたが、同時に「無垢な少女が父親という神話を乗り越え、自己の良心を確立するリアリズム」として、作品の多面的な再評価を促す契機にもなりました。
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