人類唯一の完全制圧「天然痘」なぜ撲滅できた?致死率と今の脅威
天然痘が自然界から消滅した今、天然痘ウイルスはどこに存在するのでしょうか。国際合意に基づき、地球上で公式にウイルスの保管が認められているのは、アメリカ疾病予防管理センター(CDC/アトランタ)と、ロシア国立ウイルス学・生物工学研究センター「VECTOR」(コルツォボ)の2か所の超厳重管理施設(バイオセーフティレベル4:BSL-4)のみです。
WHOではウイルスの完全廃棄(株の全滅)が幾度となく議論されてきましたが、診断薬・治療薬の開発継続や、未知の流出事故への備えを理由に、現在に至るまで廃棄の決定は先送りされ続けています。
最大の懸念は、「天然痘の生物兵器リスク」です。日本では1976年(昭和51年)頃までに定期予防接種としての種痘が終了しており、世界中の大半の若年・中年層は天然痘に対する免疫を一切持っていません。万が一、国家間の紛争やテロ組織によって未申告のウイルス株が散布されたり、現代の合成生物学技術によって人工的にウイルスが復元・散布された場合、世界的な大惨事(パンデミック)を引き起こす潜在的リスクを孕んでいます。
各国政府は現在も、万一の生物テロ事態を想定し、新世代の天然痘ワクチンや抗ウイルス薬(テコビリマット等)の国家備蓄を静かに継続しています。
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