偽物ミイラの闇と歴史的捏造|ペルシャ王女や宇宙人の正体を科学が暴く
ミイラ捏造史において、最も陰惨で国際的な波紋を広げたのが、2000年にパキスタンで発覚した「ペルシャ王女のミイラ事件」です。黄金の冠と金箔の胸当てを身に付け、精巧な木製石棺に納められたその遺体は、胸の刻銘から「紀元前600年頃の古代ペルシャ帝国・キュロス大王の娘」と主張されました。ブラックマーケットで約13億円(1,100万ドル相当)という天文学的価格で取引されかけ、パキスタンとイランの間で所有権をめぐる国際紛争にまで発展しました。
しかし、国立博物館での精密調査によって事態は急転します。楔形文字の文法的な誤りが見つかったことを皮切りに、放射性炭素年代測定によって石棺がわずか数十年前の木材で作られたものと判明。さらに遺体をCTスキャンした結果、古代のエジプトやペルシャの防腐処理技術とは全く異なり、現代の薬品によって乾燥処理されていたことが露見したのです。
最も恐ろしい事実は解剖検査で明らかになりました。遺体は古代の王女などではなく、1996年頃に死亡した20代前半の現代人女性であり、首の骨を折られて殺害された疑いが極めて高いと結論づけられました。偽物の古代ミイラを仕立て上げて巨額の富を得るため、現代の生きた人間が殺害され、遺体を加工されたという戦慄の真相は、世界中に強烈なショックを与えました。
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