聖書「八福」が示す逆境の真実|生きづらさを晴らす8つの教え
キリスト教の教理において中核をなす八福(英語:The Beatitudes)は、新約聖書『マタイによる福音書』第5章3節から12節に登場するイエス・キリストの言葉を指します。ガリラヤ湖畔の小高い丘の上で弟子や群衆に向けて語られたことから、この一連の教えは「山上の説教」あるいは「山上の垂訓」と呼ばれています。
八福の語源は、ラテン語訳聖書における冒頭の単語「Beati(幸いな者たち)」に由来します。また、新約聖書が書かれた古代ギリシャ語の「マカリオス(makarios)」は、単なる一時的な快楽や運の良さ(ハピネス)ではなく、外的な環境に左右されない魂の至福・祝福された状態を意味しています。
当時のユダヤ社会はローマ帝国の過酷な支配下にあり、民衆は重税と身分差別、宗教的な戒律の重圧に苦しんでいました。権力者や富裕層が神に愛されていると見なされていた時代に、イエスが真っ先に語りかけたのは、病や貧困、孤独の中で打ちひしがれていた名もなき人々でした。八福の由来を知る上で見落とせないのは、この言葉が成功者のための道徳論ではなく、限界を迎えていた無力な人々に向けられた救済の宣言であったという事実です。
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