呉須とは?染付を彩る青の秘密と天然・洋呉須の違い・絵付け技法を解説
呉須を用いた作陶において、「思い通りの青が出ない」「黒く焦げてしまった」というトラブルは後を絶ちません。発色の失敗には明確な技術的理由が存在します。
代表的な失敗原因と対策は以下の3点です。
1. 呉須の濃度過多による「焦げ」と「釉飛び」
色を濃く出そうとして呉須を厚塗りしすぎると、本焼き時にコバルトや鉄分が過剰に反応して黒褐色に焦げ付き、金属的な光沢が出てしまいます。さらに、顔料の層が厚すぎると上に掛かった釉薬を弾いてしまい、部分的に釉がめくれる「釉飛び(ちぢれ)」の原因になります。濃度テストピースを作り、適正な希釈比率を把握することが鉄則です。
2. 釉薬との相性問題
呉須は掛ける透明釉の化学組成によって発色が大きく左右されます。特に亜鉛(亜鉛華)やチタンを多く含むマット釉を上掛けすると、コバルトと反応して濁った灰色や鈍い青緑色に変色したり、結晶化して絵柄が完全にぼやけてしまうケースがあります。鮮明な藍色を得たい場合は、石灰釉やバリウム系の透明釉を選択するのがセオリーです。
3. 焼成雰囲気(酸化炎と還元炎)の影響
コバルト自体は酸化・還元のどちらでも青を発色しますが、天然呉須に含まれる微量の鉄分やマンガンは、酸素を十分に供給する「酸化焼成」ではやや茶褐色寄りになり、酸素を制限する「還元焼成」では引き締まった青灰色〜深い藍色に変化します。求める作風に応じて窯の焼き方(雰囲気)をコントロールすることが重要です。
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