五輪マークの色の意味と順番|5大陸説の真相や厳しい禁止規定を解明
英語圏では「The Olympic Rings」や「Olympic Games」と呼ばれ、公式の意匠も文字通りの「円(rings)」であるにもかかわらず、日本語ではなぜ「オリンピック」を「五輪」と表記するのが定着したのでしょうか。その背景には、戦前の活字印刷現場が直面した切実な事情がありました。
名付け親となったのは、読売新聞のスポーツ記者であった川本信正氏です。1936年のベルリン大会、そして幻となった1940年東京大会の招致活動に際し、新聞紙面の限られた見出しスペースにカタカナ6文字の「オリンピック」を割り当てることは至難の業でした。文字数を削りつつ、読者に一目で大会をイメージさせる短い漢字表現が急務とされていたのです。
悩んだ川本記者が閃いたのが、江戸時代の剣豪・宮本武蔵が著した兵法書『五輪書(ごりんのしょ)』でした。地・水・火・風・空の5段階の修行体系を象徴する言葉でありながら、偶然にもオリンピック旗に描かれた5つの連続した輪のイメージと見事に合致したのです。1936年7月25日付の読売新聞朝刊紙面で見出しとして初めて使われると、瞬く間に各紙へ波及。戦後も日本人の生活感覚へ自然と溶け込み、今日のメディアでも欠かせない代名詞となっています。
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