三億円事件の真犯人は警察の息子?最有力容疑者「少年S」急死の真相
事件発生からわずか5日後の1968年12月15日、捜査本部に衝撃が走る。重要参考人として身柄確保を目前に控えていた少年Sが、自宅の自室で倒れているのが発見され、搬送先で死亡が確認された。死因は青酸カリによる服毒死であった。
父親である警部補の証言によれば、「息子がノイローゼ気味になり、青酸カリを飲んで自殺した」とされた。しかし、この突然の死は事件の真相解明に巨大な暗雲を立ち込めることになる。少年Sの自殺理由については現在も複数の見解が対立している。
表向きには「警察に追いつめられた末の自決」と受け止められたが、現場からは奪われた3億円の現金はおろか、犯行時に着用していたとされるヘルメットや衣装、偽装白バイのパーツといった直接的な物証は一切発見されなかった。さらに不可解だったのは、警察上層部の対応である。身内の不祥事を恐れた警察組織が、家宅捜索や現場検証を徹底することなく遺体を速やかに荼毘に付したことから、世間では「息子の単独犯行を隠すために父親が自決を促したのではないか」、あるいは「警察の威信を守るための組織的な隠蔽工作ではないか」という疑惑が急速に広まることとなった。
少年Sの体内から検出された青酸カリの入手経路も特定されず、遺書も残されていなかった。最重要容疑者の死によって、捜査本部は「被疑者死亡」の壁にぶつかり、事件の全容解明は致命的な打撃を受けることになった。
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