寡黙な背中が語る生き様——時任三郎が昭和・平成・令和に刻んだ「男の矜持」と家族の物語
1980年、シングル「ライセンス」での歌手デビューと同時に、俳優としてのキャリアも本格的に始動した。188センチの恵まれた体格と、どこか物憂げで野性味を帯びた佇まいは、当時の日本のドラマ界に鮮烈な風を吹き込んだ。
彼の名を一躍全国区にしたのが、山田太一脚本の名作ドラマ『ふぞろいの林檎たち』だ。学歴社会の壁や将来への不安に葛藤する若者のリアルを描いた同作で、不器用ながらも泥臭く生きる主人公を好演。同世代の若者から絶大な共感を集めた。さらに1980年代末、日本全体がエネルギーに満ち溢れていた時代に放映された「リゲイン」のCMは、彼の知名度を揺るぎないものにする。「24時間戦えますか」というキャッチコピーとともにビジネス街を奔走する姿は、まさにあの時代のアイコンとして人々の記憶に刻み込まれたのだった。
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