神輿が巡る「渡御」とは?神幸祭の真実と還御との決定的な違いを解説
渡御の起源は、平安時代初期に遡ります。記録として名高いのは、貞観11年(869年)に全国で猛威を振るった疫病を鎮めるため、平安京の広大な庭園・神泉苑に神輿を送った祇園御霊会(現在の八坂神社・祇園祭)です。怨霊や疫神を慰撫し、町の外へと送り出す儀式が、渡御行列の原点とされています。
渡御行列のルートは決して気まぐれに決められているわけではありません。代々受け継がれてきた氏子区域の境界線、かつて災害や疫病が発生した重要地点、あるいは地域の有力者宅や旧家などを丹念に結ぶように設定されています。
また、隊列の構成も見どころの一つです。行列の先頭には、道を切り拓く神とされる「猿田彦(一本歯下駄を履いた天狗姿)」が立ち、その後に太鼓や天狗、雅楽を奏でる楽人、神職、色鮮やかな装束を身にまとった供奉員が続きます。最後尾近くに主役である神輿や鳳輦が配置され、まるで動く平安・江戸の歴史絵巻を眺めるような厳粛な美しさを醸し出します。
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