ワニは一生生え変わるのになぜ人間は永久歯だけ?歯の再生医療最前線
「二生歯性の人間にはもう新しい歯は生えない」という生物学の常識が、最新の医療研究によって覆されつつあります。京都大学発の創薬スタートアップ「トレジェムバイオファーマ」などの研究チームが進める「歯生え薬(抗USAG-1抗体薬)」の開発が、世界中から熱い視線を集めています。
実は人間の顎の骨の中にも、乳歯・永久歯に次ぐ「第三の歯の芽(第3歯胚)」の痕跡が存在していることが判明しています。通常は成長の過程でシグナルタンパク質「USAG-1」によってブレーキがかけられ、退化・消失してしまいます。研究チームはこのUSAG-1の働きを一時的にピンポイントで阻害する抗体薬を開発し、動物実験で歯を新生させることに成功しました。
2026年秋に開始された第1相臨床試験(治験)を経て、2026年現在は有効性と安全性の検証がさらに進むフェーズに入っています。まずは生まれつき歯の本数が少ない「先天性無歯症」の小児患者への適用を目指して開発が進められていますが、将来的には虫歯や歯周病、事故などで永久歯を失った成人への応用も視野に入っています。
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