「やめられない」の正体は?依存症を生むドーパミン暴走と脳の仕組み
では、一度狂ってしまった脳の回路を元に戻すことは可能なのか。結論から言えば、脳には可塑性(環境や経験に応じて構造を変化させる能力)があり、正しいアプローチをとれば回復は十分に可能だ。
現代の依存症の治し方(精神医学)では、根性論を排除した多角的な治療プログラムが標準となっている。中心となるのは以下の3本柱だ。
- 認知行動療法(CBT):引き金となる状況(トリガー)を特定し、刺激に遭遇した際の思考パターンと行動の代替案を訓練する。
- 環境調整とハームリダクション:アプリの削除、デビットカードの利用制限など、対象へのアクセスを物理的に遮断する仕組みづくり。
- 自助グループ・集団療法:同じ悩みを抱える他者と体験を共有することで孤立を防ぎ、回復への動機づけを維持する。
回復の過程で誰もが直面するのが、対象を断った際に生じる不安や不眠、イライラといった離脱症状(禁断症状)だ。依存症の離脱症状の期間は、物質や行為の種類によって異なるものの、激しい身体的離脱症状は通常1〜2週間程度でピークを越える。しかし、その後に続く「脳が刺激を思い出す心理的渇望」は数ヶ月から1年近く波のように訪れる。このタイムラインをあらかじめ理解しておくことが、再発(スリップ)を防ぐ最大の防御策となる。
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