なぜ香港はイギリスから返還されたのか?歴史の真相とBno移住の現在
香港がイギリスの統治下に置かれていた期間は、1841年の実質的占領(1842年の条約締結)から1997年6月30日までのおよそ155年間に及びます(※太平洋戦争中の1941〜1945年における日本軍占領期を除く)。この長期にわたる植民地支配は、一度に始まったわけではなく、19世紀の清朝との戦争を通じて段階的に拡大していきました。
発端となったのは、1840年に勃発したアヘン戦争です。イギリスが清朝に密輸出していたアヘンの取り締まりを契機に戦争へ発展し、近代兵器で清を圧倒したイギリスは、1842年に南京条約を締結。この条約によって、ビクトリア湾を臨む天然の良港であった「香港島」がイギリスへ永久割譲されました。
その後、1856年のアロー戦争(第二次アヘン戦争)を経て結ばれた1860年の北京条約により、対岸に位置する「九竜半島南部(界限街以南)」も同じく永久割譲の対象となります。当時のイギリスにとって、香港は広大な中国市場への進出拠点であり、アジア貿易の最重要中継地でした。
そして決定打となったのが、列強による中国分割が進む中で結ばれた1898年の展拓香港界址専条です。イギリスは香港防衛と都市拡張を名目に、九竜半島北部から深セン川に至る広大な地域と周辺230以上の島々(いわゆる新界地区)を、1898年7月1日から99年間の期限付きで租借することを取り決めました。この「99年」という期限設定こそが、およそ1世紀後に大英帝国を揺るがすタイムリミットとなります。
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