国籍変更の波紋と激走、猫ひろしが五輪で証明した不屈の現在地

国籍変更の波紋と激走、猫ひろしが五輪で証明した不屈の現在地の見逃せないポイントを一挙に解説しました。

2012年、最初の悲劇が訪れる。カンボジア国内の選考を勝ち抜き、ロンドン五輪代表に内定した直後、国際オリンピック委員会(IOC)から待ったがかかった。「過去に代表経験がない国籍変更選手は、変更後1年以上の居住実績が必要」という規程を満たしていないと判断されたのだ。目前で閉ざされた夢の扉。カンボジア国内オリンピック委員会(NOCC)も奔走したが、決定は覆らなかった。

普通ならここで心が折れてもおかしくない。芸人のネタとしても消費期限が切れかねない4年間を、彼は黙々と走り続ける道を選んだ。月間走行距離は800キロを超え、実業団のトップ選手並みの過酷なメニューを自分に課した。批判していた世間の視線が、少しずつ「この男は本気だ」という畏敬の念へと変わり始めたのは、この空白の4年間のひたむきさゆえだった。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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