黄金期を生んだいざなぎ景気とは?3C普及と現代経済を徹底解明
多くの国民にとって、この時代の記憶は消費の劇的な変化と結びついている。「3C」と呼ばれた3大憧れ商品――カラーテレビ(Color TV)、クーラー(Cooler)、カー(Car、乗用車)――の爆発的普及だ。昭和30年代の「三種の神器」(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)を経て、人々の生活水準は一気に欧米並みへと押し上げられた。
当時の3Cブームを支えたのは、めざましい技術革新を遂げた国内の家電製造業と自動車産業だ。量産体制の確立によるコストダウンが一般家庭への普及を急加速させ、内需と外需が双輪となって経済を強力に牽引した。テレビの画面が鮮やかな色を帯び、街にはマイカーが溢れる。生活空間の劇的な変化が、国民全体に「明日は今日より良くなる」という強い確信を与えていた。
翻って、現代2026年の経済構造と比較すると、そこには決定的な違いが浮かび上がる。かつての成長は、若年人口の増大と圧倒的な内需拡大、そして有形財(物理的製品)の普及という明確なベクトルに支えられていた。対して現代は、人口減少と超高齢化の只中にあり、成長のエンジンはAIやデジタルサービスなどの無形資産、持続可能性へと完全にシフトしている。大量生産・大量消費による一律の豊かさを目指した昭和モデルと、価値観の多様化や限られたリソースの最適化を図る現代の戦略は、前提条件そのものが全く異なるのだ。
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