なぜ「さ行」で噛むのか?現役プロが明かす滑舌劇的改善メソッド

なぜ「さ行」で噛むのか?現役プロが明かす滑舌劇的改善メソッドの基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。

言葉がもつれる瞬間、口内では一体何が起きているのか。その謎を解く鍵は、言語の物理的構造を研究する調音音声学にある。

日本語の「さ行」(/s/)は、音声学において無声歯茎摩擦音に分類される。声帯を振動させず、舌先を上の前歯の裏側や歯茎に極限まで近づけ、そのわずかな隙間から息を鋭く吹き出すことで生じる「摩擦の雑音」を利用する音だ。このとき、舌の位置がコンマ数ミリずれたり、息のスピードが足りなかったりすると、空気の抜ける音が濁り、クリアな発音にならない。

日本音声学会などの研究報告でも指摘されている通り、「さ・す・せ・そ」の平仮名に対して「し」(/ɕ/:無声歯茎硬口蓋摩擦音)だけは調音位置が後退し、舌の広い面を使う。この調音点の瞬間的な移動が、連続発声時に脳からの運動指令と筋肉の連動を混乱させる最大の要因だ。前の母音の残響を引きずったまま次の摩擦音を作ろうとするため、舌が追いつかずに「噛む」という現象が起きる。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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