江戸のレンブラント葛飾応為の正体!北斎の娘の圧倒的画力と晩年の謎

江戸のレンブラント葛飾応為の正体!北斎の娘の圧倒的画力と晩年の謎にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

葛飾応為の真筆と断定されている肉筆画は世界に十数点しか残されていません。しかし、その1作1作が美術史上のマスターピースとして語り継がれています。鑑賞の際に押さえておきたい主要作品とその特徴、現在の所蔵先をまとめました。

■ 代表作『吉原格子先之図(よしわらこうしさきのず)』
東京の太田記念美術館が所蔵する応為の最高傑作です。吉原遊郭の張見世(はりみせ)を舞台に、格子越しに居並ぶ遊女たちと、手前の暗闇から彼女たちを品定めする客たちの姿を描いています。驚くべきは、提灯に書かれた文字が内側からの光で透けて見える描写や、格子の影が遊女の着物に落ちるリアルな影の落ち方です。手前の客を黒いシルエット(逆光)として配置し、奥の遊女たちを鮮烈な光の中に浮かび上がらせる映画のワンシーンのような構図は、見る者を息をのませます。

■ 『夜桜美人図(よざくらびじんず)』
愛知県のメナード美術館に所蔵されている本作は、満開の夜桜の下で読書(あるいは短冊への筆執り)をする女性を描いた名品です。藍色の深い闇が広がる夜空には、無数の大小さまざまな星が散りばめられており、江戸時代の絵画としては異例の「星空のリアリズム」が表現されています。庭先に置かれた燭台の光が女性の白い肌と着物の文様を照らし出し、静寂と幻想的な美しさが漂う逸品です。

■ 『三曲合奏図(さんきょくがっそうず)』
アメリカのボストン美術館が所蔵する大作。琴、三味線、胡弓(こきゅう)を奏でる3人の女性が描かれています。女性たちの指先のしなやかな動きや楽器の木目、贅沢に描き込まれた着物の柄など、超絶的な細密描写が凝縮されています。人物の肉付きや衣の立体感に陰影が巧みに取り入れられており、応為の卓越したデッサン力を物語る作品です。

■ 主な葛飾応為の作品一覧(現存肉筆画・挿絵)

  • 『吉原格子先之図』(太田記念美術館所蔵)
  • 『夜桜美人図』(メナード美術館所蔵)
  • 『三曲合奏図』(ボストン美術館所蔵)
  • 『月下把梅図』(メトロポリタン美術館所蔵)
  • 『関羽割臂図』(クリーブランド美術館所蔵)
  • 『絵入日用女重宝記』(版本挿絵)
高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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