ホッキョクグマの毛は白くない?透明な毛と黒い地肌の驚きの秘密

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日本の動物園や海外の施設で、夏場になると「ホッキョクグマが緑色に変色している」とSNS等で話題になる光景を目撃したことがある方も多いはずです。「病気なのではないか」「展示場の水が汚れているのでは」と心配されるケースも少なくありませんが、この変色にも毛の特殊構造が深く関係しています。

緑色に変色する正体は、毛のストロー状の空洞に入り込んだ「藻類(アオコや緑藻など)」です。野生の北極圏は年間を通じて極低温であり、藻類が繁殖する条件は整いません。しかし、温暖で湿度が高い日本の夏期や温帯地域の動物園では、プール内の微小な藻類が活発に増殖します。

ホッキョクグマがプールで泳ぐ際、透明な毛の外層にある微細な傷や先端から、水中の藻類が中心の空洞部へと侵入します。毛の中は外敵から守られ、日光も十分に届くため、藻類にとって格好の増殖環境となってしまいます。その結果、透明な毛を通して内部の緑色が透けて見え、体全体が緑がかって見える「ミドリグマ現象」が発生します。

園館側も水のろ過や清掃を行っていますが、毛の空洞深くまで入り込んだ藻類を薬品などで洗い流すことは皮膚への負担が大きいため、無理な洗浄は行われません。秋から冬にかけて水温が下がり、年に一度の換毛期(毛の生え変わり)を迎えると、古い毛が抜け落ちて再び美しい白さを取り戻します。健康上の問題や感染症の心配はありません。

中島 亮太

中島 亮太

写真家・フォトエディター

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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