聖徳太子の「和をもって尊しとなす」真意と現代を生き抜く実践術

聖徳太子の「和をもって尊しとなす」真意と現代を生き抜く実践術にまつわる最新トピックを詳しく紐解きます。

一般に「和を以て貴しと為す」として知られるこの一節は、推古天皇の摂政を務めた聖徳太子(厩戸皇子)が制定した十七条憲法の第一条冒頭に記されている。当時の飛鳥朝廷は、豪族同士の権力闘争と東アジアの緊張状態という内外の危機に直面していた。そうした乱世において、厩戸皇子が目指したのは、力による抑圧でも無難な妥協でもない。互いの立場や意見の違いを認めつつ、徹底的に議論を尽くす国家基盤の構築だった。

十七条憲法の文脈を読み解くと、第一条には「上和(やわら)ぎ下睦(むつ)びて、事を論(あげつら)ふに諧(かな)ふときは、事理自(おのずか)から通ゆ」と続く。つまり、上層部も下層部も胸襟を開いて議論を重ねれば、どんな難題も理にかなった解決に至るという言及だ。聖徳太子が意図したのは「波風を立てないこと」ではなく、「議論を尽くして自律的な合意を形成すること」に他ならない。事前の口裏合わせや異論の排除を善としたわけではないのだ。

佐藤 大輔

佐藤 大輔

シニアコンテンツプロデューサー

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