名作『官僚たちの夏』が描く高度経済成長期の裏側と佐橋滋の真相
昭和30年代から40年代にかけた高度経済成長期。日本が国際社会へ復帰し、激しい自由化の波に晒される中、行政の最前線で激突を繰り返していたのが通商産業省(現在の経済産業省)である。当時、海外から押し寄せる巨大資本の参入圧力を前に、国内の自動車や鉄鋼、化学などの基幹産業をどう保護し育成するかで省内は真っ二つに割れていた。
主導権を握ろうとしたのは、通商産業省のなかでも「国内産業の育成こそが国家の命運を分ける」と信じる統制派と、「国際競争力と市場原理に任せるべきだ」と主張する自由化派の2つの陣営だ。政策方針の対立は単なる議論にとどまらず、人事を巻き込んだ壮絶な権力闘争へと発展していった。劇中で描かれる熾烈な派閥抗争や暗闘は、決してフィクションの誇張ではなく、まさに歴史の舞台裏で繰り広げられた生のドキュメントであった。
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