ナイアシンフラッシュで死亡?激痛と劇症肝不全が招く最悪の結末
全身の皮膚が真っ赤に染まり、針で刺されたような痛みが走る。これがナイアシンフラッシュの典型例だ。胃腸から急速に吸収された遊離ニコチン酸(ナイアシン)は、皮膚のランゲルハンス細胞や表皮細胞に存在する受容体「GPR109A」に結合する。その結果、瞬時に大量のプロスタグランジンD2(PGD2)およびプロスタグランジンE2が放出され、末梢毛細血管が限界まで拡張する。
健康な成人であれば、この反応は30分から2時間程度で沈静化する。問題は、血管が急激に拡張することで起きる全身の血圧急降下だ。アメリカ食品医薬品局(FDA)の有害事象報告データベースにも、フラッシュ発生に伴う起立性低血圧による失神、浴槽内での意識消失、階段からの転落による外傷性ショック事例が蓄積されている。心血管系に既往症を抱える中高年層にとっては、この急激な血行動態の変化そのものが致死的なトリガーとなり得る。
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