直木賞作家・小川哲の軌跡と東大中退の真相|読むべき傑作と天才の思考法
小川哲は1986年生まれ、千葉県出身。中高一貫の進学校として名高い渋谷教育学園幕張高等学校を経て、東京大学教養学部を卒業。その後、東京大学大学院総合文化研究科に進学し、計算機科学の父として知られるアラン・チューリングの哲学・人工知能論の研究に没頭していました。
研究者への道を歩んでいた小川氏ですが、博士課程在学中に執筆した『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、2015年に作家デビューを果たします。その後、研究と創作活動の狭間で自らの表現領域を見極め、博士課程を満期退学(単位取得満期退学)して専業作家の道を歩む決断を下しました。
大学院を離れた背景について、小川氏は過去のインタビューで「論文という厳密な学術フォーマットの中だけでは消化しきれない、人間の不条理や思考実験の面白さを小説という装置で描き切りたかった」という趣旨を明かしています。アカデミズムの世界で鍛え抜かれた論理的思考とリサーチ能力は、後の傑作群を生み出す強固な土台となりました。
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