無原罪の御宿りとは?処女受胎との決定的な違いとカトリックの教義

無原罪の御宿りとは?処女受胎との決定的な違いとカトリックの教義とはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

無原罪の御宿りは、キリスト教の成立当初から全員に一致して認められていたわけではありません。中世ヨーロッパの神学者たちの間では、数百年におよぶ激しい論争が繰り広げられました。

13世紀のドミニコ会修道士トマス・アクィナスなどは、「もしマリアが無原罪なら、キリストによる万人の贖罪の対象から外れてしまうのではないか」と慎重な立場を取りました。これに対し、フランシスコ会の神学者ヨハネス・ドゥンス・スコトゥスは、「キリストの完全な救いとは、罪に落ちた者を救うだけでなく、前もって罪に落ちないよう予防すること(先行的恩寵)も含む」と反論し、無原罪論を強力に擁護しました。

民衆の熱烈なマリア信仰にも後押しされ、議論は徐々に教義化へと傾きます。そして1854年12月8日、ローマ教皇ピウス9世が教皇回勅『イネファビリス・デウス(Ineffabilis Deus / 語るべからざる神)』を発布し、無原罪の御宿りをカトリック教会の公式な信仰箇条(逆らうことが許されない教義=ドグマ)として厳粛に宣言しました。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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