過熱する塊根植物ブームの極北:メキシコの奇樹「象の木」が魅せる熱狂と、2026年に直面する保全の最前線
ここ数年、世界中の都市生活者の間で「部屋に飾る彫刻」として塊根植物を愛でるカルチャーが完全に定着した。とりわけ2026年の現在、希少性の高い古木スペックの株はアート作品と同等の扱いで高額取引されている。オークションサイトやSNSの非公開コミュニティでは、1株数十万円から百万円を超える高値がつくことも珍しくない。
この需要爆発がもたらしたのは、自生地からの密輸問題の深刻化だ。メキシコ政府は輸出を厳しく制限しているが、現地での不法採取は後を絶たない。山肌から力ずくで引き抜かれた現地株(未発根株)の多くは、日本や欧州へ運ばれる輸送の途中で乾燥し、発根に失敗して枯死してしまう。熱狂の裏で流れる命の損失に、業界内からも批判の声が上がり始めている。
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