『アンナチュラル』脚本の凄さの理由!野木亜紀子が仕掛けた伏線と真相

『アンナチュラル』脚本の凄さの理由!野木亜紀子が仕掛けた伏線と真相の見逃せないポイントを徹底的にカバーしました。

本作の真骨頂は、張り巡らされた伏線がパズルのピースのようにカチリと嵌まる快感です。第1話から漂っていた中堂系(井浦新)の凶暴性と復讐への執念。殺害された恋人・糀谷夕希子の口内に残されていた「赤い金魚」の痣(あざ)という断片的な情報が、物語の後半に向けて不気味に浮かび上がっていきます。

第4話「誰がために働く」の一見単独のエピソードに見える過労死問題、第5話「死の報復」で叩きつけられる「法の裁きと私刑」の倫理的ジレンマ。それらすべてが、第9話「敵の姿」から第10話(最終回)「旅の終わり」における連続殺人犯・高瀬文人(尾上寛之)の対決へと雪崩れ込みます。高瀬が利用した「ホルマリンによる証拠隠滅」と、彼を煽り立ててルポを執筆させていたフリージャーナリスト・宍戸保(北村有起哉)の存在は、法医学の限界と人間の悪意の底知れなさを容赦なく突きつけました。

そして迎えた法廷での最終決着。中堂が私怨による毒殺を思いとどまり、ミコトが高瀬の「母親へのコンプレックスと承認欲求」を法医学的・精神分析的に淡々と論破するシークエンスは圧巻でした。復讐劇というドラマの王道を避け、法医解剖医としての矜持とロジックで怪物の口を割らせた結末は、脚本が生み出した最高のカタルシスと評価されています。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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