木造建築の命運を握る「造営材」の真実と失敗しない木材選定術
木造建築を計画する際、最も混同されやすいのが「構造材」と「造営材」の境界線だ。一般的な構造材は、建築基準法で規定された荷重や地震力に耐えるための柱や梁、土台などの力学的部材を指す。一方、造営材は力学的強度に加え、木肌の美しさ、年輪の緻密さ、経年変化の予測、空間全体の格調までも包括した「建築を成立させるための総合木材」と位置づけられる。
構造材が「強度数値をクリアする工業製品」としての性格を強めているのに対し、造営材は一本一本の木の個性を見抜く眼識を要求する。一般社団法人日本建築学会の技術知見や建築構造工学の研究でも、木材の異方性(方向による性質の違い)や乾燥収縮が建築全体の寿命に与える影響が再検証されている。ただ規格に適合しているだけでは、百年耐えうる建築の造営材としては不十分なのだ。
最新の選定現場では、含水率15%以下を担保する高度な人工乾燥技術と、木の細胞構造を壊さない天然乾燥のハイブリッド調達が主流になりつつある。無駄な歩留まりを抑えつつ、狂いの出ない材を初期段階でスクリーニングすることが、長期的なメンテナンスコスト削減と資産価値維持に直結する。
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