映画『侍タイムスリッパー』大ヒットの裏側!山口馬木也の覚醒

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刃が風を切る。一瞬の静寂。そして激しい金属音。劇中で繰り広げられる殺陣の迫力は、目の肥えた映画評論家たちの目をも見開かせた。

山口馬木也の殺陣には、長年にわたる鍛錬に裏打ちされた特有の「重み」がある。型をなぞるだけの派手なアクションとは一線を画す。腰の落ち方、刀を抜く瞬間の緊迫感、そして切っ先が描く奇跡のような軌道。その伝統的な身体技法を支えてきたのが、歴史ある東映京都撮影所での経験だ。

京都の撮影所には、かつて幾多の名殺陣師や殺陣集団が築き上げた独自の文化と美学が脈々と息づいている。山口はそこで伝統の技を身体に叩き込み、刀一本で人間の喜怒哀楽を表現する術を体得した。「殺陣とは、刀を使った対話である」——そう語るかのように、彼の剣筋には相手への敬意と覚悟がにじみ出る。『侍タイムスリッパー』クライマックスの殺陣シーンで見せた気迫は、まさにCG全盛の時代に対する肉体表現からの回答だった。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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