富士山噴火ハザードマップ改定で何が変わった?首都圏降灰と避難の真相
多くの首都圏在住者が「富士山から100km離れているから溶岩は来ない」と高を括るなか、現実の脅威として突きつけられているのが東京首都圏降灰被害想定です。参照すべき歴史の教訓は、西暦1707年に発生した宝永噴火の被害規模と経緯。このとき江戸の町には14日間にわたって火山灰が降り注ぎ、昼間でも行灯を灯さねばならないほどの暗黒世界と化しました。
現代のメガシティが直面する危機は、江戸時代とは比較にならないほど複合的です。火山砂礫やガラス質片を多く含む火山灰は、電気を通しやすい性質を持っています。雨を含んだ灰が送電設備機器に数ミリ付着するだけで漏電が発生し、首都圏インフラ停止と停電リスクが爆発的に高まります。送電網のシャットダウンによる「首都圏ブラックアウト」の引き金となる灰の厚みは、わずか数十ミリにすぎません。
レール上に0.5ミリの火山灰が堆積した段階で車輪とレール間の通電が妨げられ、保安装置が作動して鉄道網は全線運行停止を余儀なくされます。羽田・成田空港の滑走路閉鎖と合わせ、首都圏の物流は完全に沈黙。水処理施設のフィルター目詰まりによって水道供給も途絶するなど、都市全体が陸の孤島へと変貌するシナリオが精緻に描き出されています。
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