わずかな微熱が命取りに!現場が明かす競走馬の体温管理の真実
どれほどテクノロジーが進化しても、現場における体温測定のゴールドスタンダードは直腸温測定(バイタルサイン)である。尾の付け根を持ち上げ、電子体温計のプローブを直腸壁にしっかりと密着させて深部体温を測る。非接触型の赤外線サーモグラフィーが補助的に使われることはあるが、毛房の密度や外気温、馬体の発汗状態によって表面温度は大きく狂うため、公式な判断には直腸温が不可欠だ。
日本中央競馬会(JRA)の各施設や競馬場への入厩時にも、厳格な直腸温検査が課される。万が一、伝染性馬貧血や馬インフルエンザなどの感染症キャリアが紛れ込めば、開催そのものがストップし、数千頭規模の馬インフラが麻痺しかねないからだ。
厩舎のスタッフは、馬がボロ(糞)を出した直後の測定を避けるなど、細心の注意を払う。冷たい外気が直腸内に入り込み、数値が一時的に低く出てしまうエラーを防ぐためだ。1回1回の検温に、職人技とも呼べる観察眼とノウハウが凝縮されている。
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