心揺さぶる「無」の四字熟語!ビジネスと座右の銘で差がつく決定版
漢字の成り立ちを遡ると、「無」という字が持つ原初の風景が見えてくる。東洋文字学の泰斗・白川静が解き明かしたところによれば、「無」の古字は、豊かな飾り袖や木の枝を手にして天に雨を乞う呪術的な踊り手の姿を象ったものだった。何もないことを表す記号ではなく、目に見えない神聖な力を呼び覚ます躍動的な儀礼こそが、この文字の胎動であったのだ。
この呪術的な「舞」が、やがて「存在しないこと」を指す仮借文字へと転じ、故事成語・漢文学の豊かな大地でさらなる哲学的深化を遂げた。その筆頭が老子である。老子は『道徳経』において「天下の万物は有より生じ、有は無より生ず」と説いた。器が役に立つのは中身が空っぽだからであり、部屋が機能するのは空間という「無」があるからに他ならない。「無」とは欠落ではなく、すべての「有」を生み出す母胎なのである。
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