般若と真蛇の違いとは?怨念が蛇へ堕ちる最終形態の正体と能面の謎
真蛇という存在を語る上で欠かせないのが、古典文学や歌舞伎、能の演目として名高い『道成寺(どうじょうじ)』の清姫伝説です。
美僧・安珍に裏切られたと思い詰めた少女・清姫は、激情のあまり安珍を追い、日高川を渡る最中にその執念によって自らの体を巨大な大蛇へと変貌(蛇体化)させました。そして道成寺の鐘の中に逃げ込んだ安珍を鐘ごと巻き締め、口から吹き出す猛毒の炎で焼き殺してしまうのです。
古来、日本では女性の深い執念や嫉妬は「蛇」となって現れると信じられてきました。仏教的な因果応報や怨霊信仰とも結びつき、愛の裏返しである憎悪が身体すら作り変えてしまうという恐怖の物語が、真蛇の造形へと結実していったのです。
なお、「般若」という名称の由来については、能面師の「般若坊」が創始したという説のほか、荒れ狂う怨霊を鎮めるために仏教の究極の智慧である「般若心経」の力を借りたからだという説も広く伝わっています。
タグ:
https://aitraining.bnsf.com/tgsbxqnv/3101626/