死刑執行命令書への署名:法務大臣が直面する司法の重圧と葛藤
最高裁判所で上告棄却の判決が下され、判決が正式に確定した瞬間、被告人は「死刑確定者」へと立場を変える。判決の謄本と膨大な証拠書類は、審理を担当した裁判官の手を離れ、検察庁を経由して法務省へと移送される。ここから先は完全な非公開の手続きだ。
法務省刑事局では、複数の担当検事がチームを組み、執行の阻害要因がないかを冷徹な目で洗う。心身の喪失状態にないか、恩赦の対象となり得る特別の事情はないか。この審査プロセスに決まった期限はない。慎重を期すあまり、審査が数年間に及ぶことも珍しくない。全ての懸念が払拭された段階で、初めて死刑執行命令書が作成され、大臣の執務室へと運び込まれる。
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