ナイアシンフラッシュで死亡?激痛と劇症肝不全が招く最悪の結末
そもそも、なぜ一般の人々が致死量に達しかねないグラム単位の過剰摂取に走るのか。その源流には、1960年代から提唱されてきたオーソモレキュラー医学(分子栄養学)の存在がある。精神疾患の治療にナイアシン大量投与を試みた精神科医エイブラム・ホッファーや、ノーベル賞受賞者であるライナス・ポーリングらの研究は、メガビタミン療法として世界中に信奉者を生んだ。
彼らが残した論文は「ビタミンは水溶性だから余剰分は尿から排出される」という、都合のいい安全神話を世間に定着させた。だが現代のサプリメント業界は、当時の文脈を無視した高濃度カプセルを容易に入手できる環境を作り出してしまった。精神安定、アンチエイジング、脂質異常症の改善、さらには美白効果を謳う無数のインフルエンサー投稿が、エビデンスの文脈を無視して摂取量をエスカレートさせている。
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