坂本慎太郎が放つ異端の響き、世界を揺るがす未発表の企てと新潮流
ソロ転向後のディスコグラフィは、時代精神の不穏な予兆と奇妙な安らぎを常に孕んできた。2014年に発表されたアルバム『ナマで踊ろう』では、人類滅亡後の世界で鳴り響く架空のダンスミュージックという強烈なコンセプトを提示。スチールギターのうらぶれた響きと無機質なラテンビートが、当時の世相と戦慄するほどのシンクロを見せた。
一方、前作『物語のように』では、閉塞したパンデミックの空気を吸い込みながらも、日々の生活の愛おしさや些細な感情の揺れ動きを軽やかなタッチで描き出した。絶望を大げさに叫ぶのではなく、淡々とユーモラスに受け止める。その独特なスタンスは、過剰な情報に疲弊した現代人の心に深く染み渡っている。
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