世界一まずい味の真相とは?悪臭と愛着が交錯する究極の食文化
スウェーデンの都市マルメにあるディスガスティング・フード・ミュージアム(不快な食べ物博物館)を訪れると、来館者はチケットの代わりにエチケット袋を手渡される。心理学者であり同館の創設者であるサミュエル・ウェスト博士は、世界中から集めた80種類以上の「悪評高い料理」を展示することで、人間の感情がいかに文化的刷り込みに左右されているかを実験的に証明してみせた。
ウェスト博士の研究が示すのは、嫌悪感(Disgust)という感情が、本来は毒物や病原体を避けるための進化学的な防衛反応であるという事実だ。しかし、どの食べ物を「不快」と感じるかは、幼少期からの食環境によって完全に後天的にプログラミングされる。
欧米の来館者が日本の納豆や中国のピータンを見て顔をしかめる一方で、アジアの訪問者は欧州の生肉料理やカビまみれのチーズに強い抵抗を示す。展示ケースの前に立つ人々は、自分が信じる「普通の味覚」がいかに狭い世界の常識であったかを痛烈に思い知らされることになる。
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